「キメラ」や「伝説の動物」やら「鵺」なんてものが
実存する日も近い?…なんて昨今耳にするようになりましたね。
そうです、今回も遺伝子研究や受精卵、
はたまた人工子宮の話です。
今回、
1/13のモーガン・フリーマンの「時空を超えて」
という番組では「“生殖”は変化するのか?」というタイトルでした。
この番組に対し、個人的にファンなこともあり、
はたまた面白そうな内容だったこともありまして、
モーガン・フリーマンは今日もしぶいな~(*^◇^*)ノ
とおもいながらしっかり視聴→メモらせていただきました。
生殖医療や不妊治療に興味があるひとはもちろん、
生物学的なものや生物進化学、はたまた
トンデモつながりから興味をもった方のお役にたてば
メモしがいがあったというものです。
少し長いですが、今回もどうぞおつきあいくださいませ。
今回は
1)有性生殖は将来なくなる?
→500万年後にはY染色体が絶滅する?
2)有性生殖ができない場合、子孫繁栄は可能か?
→同性生殖が可能になる?
3)どうせなら「よいお相手」を見つけたい!
複数の親を生物学的にもつことも可能?
4)人工子宮で妊娠は可能か?
→妊婦が十月十日耐えなくてもよくなる?
5)人工だらけで「生物学的両親=社会的家族」の存在はどうなる?
将来的に「家族の在り方」は変わるのか?
6)細胞を入れ替えて重篤な遺伝病を予防する方法
→数十人の親から生まれることも可能
7)合成獣生成も可能→
「クモとヤギのキメラ」から糸は作れるか?
という題材でお送りいたします。
1)有性生殖は将来なくなる?
→500万年後にはY染色体が絶滅する?
男と女は古くから(生物として)競い合っていましたが、
将来どちらかだけが生き残るといしたら
それは女性だろう。と考えられています。
ヒトの生殖というものが多様化するかもしれません。
たとえば、ひとりの子供に
生物学的な父親・または母親がふたりいるとか、
子宮の外で子供が受精~成長するとか
はたまた人間と他の生物がハイブリッドされた
ヒトができるかもしれません。
本来、子孫を次世代に残すための「セックス」という行為の
存在が将来的には変わるだろうと言われています。
過去5億年にわたり複雑な生命体のほとんどが
有性生殖によって子孫を残してきました。
しかし、
ヒトは将来有性生殖をしなくなると考えられています。
【有性生殖】というものがなくなるのではないか?と
遺伝学者のジェニー・グレイブスは
提唱しています。
カンガルーと人間の遺伝子は良く似ているそうです。
DNAは遺伝子のなかにあり螺旋状態に折りたたまれていて、
ヒトには23対の染色体があり、性別をきめるのは1対です。
ヒトもカンガルーもX染色体が2つなら女性、
XY染色体なら男性になります。
私たちはこの仕組みを共通の祖先から受け継いでいます。
カンガルーは哺乳類の祖先からあまり遺伝子が変わっていないので、
カンガルーの遺伝子をしらべることで他の哺乳類であるヒトも
これからが憶測できるというのです。
彼女によれば、オス(男性体)は絶滅に向っているだろうというのです。
男女の遺伝子を建物にたとえると
女性(XX染色体)は超高層ビル、
対して、
男性(XY染色体)は掘立小屋のようなものだというのです。
X染色体は1000ほどの遺伝子を持ています
Y染色体はX染色体にくらべてずっと小さく、ほとんど遺伝子をもちません。
わかりにくいので図解にしてみました)
X染色体
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Y染色体(X染色体より小さい)
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XX染色体(=女性になる)
(※母親・父親のもちよっている
各遺伝子を色分けしています。右が父親の遺伝子。※)
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XY染色体(=男性になる)
(※各遺伝子を色分けしています。右が父親の遺伝子。※)
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卵子はX染色体を持っています。
そこに殺到する何十億もの精子のなか、
X染色体とY染色体をもっている精子は半分ずつになります。
精子と卵子がくっつくことで、
もしも精子がX染色体をもっていた場合は
X染色体を1つずつ受け継ぎます。
その場合、
母親と父親の遺伝子の何割かを
自分で自分を修復できることもあるのです。
つまり、片親の遺伝子に欠陥が有ったり
有害な突然変異が起こっても、
もう片親の遺伝子が正常ならば
その欠陥を遺伝子交換・修復できる場合が有るのです。
(図解:こういうカンジで互いを入れ替えたり修復することができる)
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↓
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ところが精子がY染色体の場合、
Y遺伝子は修復ができないため
片親のX遺伝子に欠陥があっても
修復できない(材料などがない)ため、
遺伝子を失うおそれもあるのです。
結果、500万年後には「Y染色体」自体が
なくなるかもしれない。と提唱しています。
2)有性生殖ができない場合、子孫繁栄は可能か?
→同性生殖が可能になる?
Y染色体がなくなるということは、
男性の生殖能力がなくなるということです。
では有性生殖が無くなったらどうなるのでしょうか?
進化生物学者のリーバイ・モランは
根源的な「謎」について研究しています。
なぜ人間や他の生物たちはセックスをおこなうのか、という
根本的な謎ですが、
「Cエレガンス」という生物をつかってその謎について研究しました。
Cエレガンスはオス・メス存在していますが、
メスは自分自身で繁殖することもできるという生物です。
モランはこの生物を使って有性生殖と無性生殖させた2種類の
Cエレガンスをつかって毒物に対しての実験をおこなったところ、
無性生殖したグループよりも有性生殖の方が生存率が高かったのです。
つまり、無性生殖よりも有性生殖の方が、何かあった時に
生き残る率が高いということです。
3)どうせなら「よいお相手」を見つけたい!
複数の親を生物学的にもつことも可能?
では将来的に種を発展させるためには
卵子を受精させるには生物学的に「よいお相手」が
必要になりますよね。
だからといってそのために「セックスが必要」とは
限らなくなりそうです。
最近は体外受精ということも行われるようになってきました。
将来的には、たとえば皮膚細胞からでも
赤ちゃんをつくることが可能になると考えられます。
皮膚細胞を胚性幹細胞に戻すことができました。
この「胚性幹細胞」はヒトの胚にしかない細胞で、
全ての細胞の種となり、司令塔(蛋白質など)の指示次第で
色々な臓器に変わることができます。
多くの研究者は治療目的として研究していますが、
生殖医療の専門家レネー・レイヨ・ベラーは
人体が通常ではつくりえない細胞をつくろうとし、
また、どういったものを加えれば幹細胞がどういった細胞
調査しています。
ベラは生殖能力のない男性の胚細胞から精子を
作れるのではないかと研究しています。
女性から精子細胞を創り出すのは難しいようですが、
男性から卵子細胞を創り出すのは容易だと彼女は考えています。
それによって、単性生殖も可能だと考えられます。
ちなみに、10年以内は難しいでしょうが将来的には
性別や年齢に関係なく子供を得ることはできるかもしれません。
不妊カップル(同性愛者を含め)には待望の研究でしょうが、
批判的な意見も多いことは事実のようです。
4)人工子宮で妊娠は可能か?
→妊婦が十月十日耐えなくてもよくなる?
十月十日、といわれますが、
この間の妊娠期間は妊婦にとってはたいへんな期間でしょう。
しかしそのたいへんな期間が不要になるかもしれません。
生殖における革命のひとつとして、
人工子宮という研究がなされています。
海洋生物学者のニック・オトウェイは
将来的に波紋を呼ぶような研究をしています。
鮫を人工子宮で繁殖する研究がされています。
開発目的は、絶滅危惧種であるシロワニの個体を増やすことで
オーストラリアの政府高官から直々に命じられた研究です。
鮫から胚を取り出し、
人工的な発育環境から鮫を発生、繁殖させる研究なのですが、
最終的にはサメよりも研究者の方が細心の注意を払う必要が
あるようです。
サメの胚が必要な環境は成長とともに変化し、
最初サメは複雑な子宮液のなかで育ちます。
3カ月たつと母鮫は子宮の中に海水をいれて、
海の環境に変えていきます。
人工子宮の試運転は最初、
個体数が多いテンジクサメで行われました
テンジクザメは人工的な環境での飼育も可能です
9週間後、実験は大成功でした。
鮫でできたのだから人工子宮での繁殖は
人間でも大丈夫だろうと
オトウェイはみています。
もちろん、その場合はヒトの子宮内で
いつどのような科学的変化がおきるかを
調査・研究することが必要です。
これが可能になれば
流産や死産などで危険にさらされる可能性は
へるかもしれませんが、
研究室で生まれた子供に対する偏見や倫理的な問題との
かねあいがでてくるかもしれません。
5)人工出産化で
「生物学的両親=社会的家族」の存在はどうなる?
将来的に「家族の在り方」は変わるのか?
チンパンジーは縄張り争いを巡って殺し合うことがあるそうです。
霊長類のオス・メスの役割をきめるのは何なのでしょうか?
ちなみにチンパンジーは子育てをするのは
メスだけだそうです。
チンパンジーの中では男女とその子供
という家族構造がありません。
一方、ボノボは姿はチンパンジーに似ていますが、
構造がまったくちがい、
ボノボのメスは集団ではオスより上位だといいます。
オスの方が大きく力が強いのですが、
メスが同盟を結び、結果争いごとを避けるということになります。
食べ物などもメスが先に食べ、オスに分け与えるかたちです。
また、ボノボは同性・異性を問わず
しょっちゅうセックスをしています。
争いがおきた後などでみられる行為で、
争いを防いだり和解する効果があるようです。
これはつまりセックスすることで同盟関係を結び、
中の良さを維持したり子供をまもったりするようです。
これで同盟を結んだメス同士でオスより優位に立つのです。
ボノボはチンパンジーに比べて比較的
食料が手に入り易くいからだろうと考えています。
大型類人猿の社会を研究する
霊長類学者フランス・ド・ヴァールは
遺伝子ではなく生息環境によって
家族のありかたが変わるだろうと語っています。
たしかに人間の生活は、食糧事情などをとっても
昔と現在では変わりました。
ですが、
環境がヒトの行動を買えるのは環境だが、
それには多くの世代を重ねる必要があります。
現在のヒトの行動の期限も数万年前に遡ると
ド・ヴァールはいいます。
ですから、将来的に人工受精が可能になり、
人工子宮で子供が生まれるようになったとしても、
「家族の在り方」は変わらないだろうと
彼は考えています。
6)細胞を入れ替えて重篤な遺伝病を予防する方法
→数十人の親から生まれることも可能
ニューカッスル大学
不妊治療専門家のダグ・ダーンブルは
「深刻な病気を未然に防ぐためという目的であり
それ以外に使うのは不適切だ」と
彼は述べています。
この方法は、当時は法律違反でした
ミトコンドリアなどが原因による
細胞のエネルギー不足が原因でおこる病気の
治療目的です。
てんかん脳卒中認知症などを未然に防げるだろうと
考えています。
全ての子供のミトコンドリアの情報は母親から受け継ぎます。
ミトコンドリアに問題がある卵子から生まれた子供は
上手く育たないのですが、このミトコンドリアを治療して、
不健康な卵子を健康な卵子に変えることで
産まれてくる子供が健康体になるという方法です。
その卵子はドナーから提供されたものをつかうので、
その子は両親の細胞から23000子の遺伝と
ドナーから13の遺伝子を受け継ぎます。
遺伝的には3人の親を持つと言う事になります。
それで将来、ミトコンドリアが原因による
その子が負うかもしれない重篤な病気を防げるのなら
有効かもしれませんが、
第三者から提供されるのは行き過ぎだと、
抵抗を覚えるひとがいることも事実です。
この特殊な体外受精により
遺伝子疾患を含むのがミトコンドリア以外のものが原因な場合も
これに似たような理屈で変換が可能となりますし、
この理論でいえば数十人の「親」をもつことも可能になります。
また、
「人間」以外の細胞を加えることも可能です。
遺伝子を加工することで、
人間の知性と動物の能力をもつハイブリッド生物が生まれることも
可能だといえます。
7)合成獣生成も可能→
「クモとヤギのキメラ」から糸は作れるか?
分子生物学者ランディ・ルイスは
種の異なる遺伝子を混ぜ合わせる研究をしています。
クモの遺伝子をヤギの受精卵の遺伝子に移植し、
「クモヤギ」の乳からクモの糸をつくる蛋白質が取れるかどうかを
研究しました
結果、一回の搾乳でとれる糸は約56メートルでした。
つまり異なる種のDNAであっても適切な環境においてやれば
遺伝子は機能するという結論です。
つまり、人間の遺伝子にクモの遺伝子を混ぜて糸を出せれば
ヤモリのように木をのぼったりチーターのように走ることもできる
ということです
「セックスは自然の一部。私は自然のままに生きていく」
BYマリリン・モンロー
将来、「自然の一部」でなくなる日がくるかもしれません。
最後に)
クローン羊のドリー、でしたっけ?
昔から生物学の研究と倫理・宗教的なものは
相いれないものがありますし、
個人的にも「これはちょっと…(クモヤギとか)(- - ;)」な
研究もありました。
大半の研究者は倫理的な意思やモラルはちゃんと
お持ちなはず。
で、一部のひとが行きすぎた研究をやりすぎた
挙句に、その研究成果がいろいろと悪循環に陥って
映画の世界に突入・SF話がリアル化していくんですね、
わかります。
いや、わからん。
将来的に男性が必要無くなるとか、
単一生殖より有性生殖の方が生物学的に有利というのは
以前耳にしたことがありますが、
こういった番組を拝見すると改めて研究科学の発展の
速さに改めて驚かされますね。
セックスを娯楽のひとつとみるか
生物の本質的な必要事項とみるか
かわってくるかもしれませんね。
とはいえ、娯楽のひとつとした場合
セックス依存症とことばもありますし、
犯罪問題なども変わってくるので
やはりモラルは必要と思ってしまいます。
または、文明の発達に伴い
セックス活動自体が減って
少子化問題が出てきたという噂の昨今、
それとも生物学的に不要⇒
セックス自体が不要⇒娯楽にもならない
という日が数十万年後に到来するのかもしれませんね??
しかしこういった話をみていくと
はたして男系・女系の社会学的OR生物学的在り方や
ウーマン・リブ、最近話題の日本国女帝即位復活談義に
ついてまで話を進めていけそうです。
何なら、一晩でも語り合えますよ~??
…いやいやいや、それはまたの機会で…。
ちなみに
「パラレルワールドともう一人の自分に会えるかどうか?」 に
ついての番組は
こちらにメモしています。
「魂(死後の世界)」についての番組内容は
こちらにメモしています。
「死んだあとに黄泉返る方法」については
こちらにメモしています。
宇宙からの重力波発見に関する宇宙好きな方は
こちらへ
地球や太陽が消滅したあとの人類や宇宙航行がきになる方は
こちらへどうぞ。
AIだよ。機械だよ。人間みたいな「倫理」は必要なのか?
と、SFみたいなことをフッと思った方はこちらへ